以前、私が働いていた会社では、毎朝9時から30分間、チームミーティングを行っていました。
これはチーム内で決めたものではなく、上層部の方針で始まったものでした。
毎朝9時。
出社すると、そのまま30分の朝会です。
最初のうちは、
「情報共有のために必要な時間なのだろう」
と思っていました。
実際、
上層部から新しい方針が出た時や、
地方の拠点からリモートで参加しているメンバーが新しい情報を持っている時などは、
朝会が役に立つこともありました。
ただ、
そうした新しい情報が毎日あるわけではありませんでした。
毎日続けるうちに、同じ話が繰り返されるようになった
毎日30分の会議を続けていると、
当然ながら、毎朝新しい話題があるわけではありません。
リーダーも話すことがなくなり、
前日に話したことをもう一度話したり、
似た内容を繰り返したりすることが増えていきました。
私も最初はきちんと聞いていました。
でも、
同じような話が続くうちに、
だんだん
「聞いているふりをして、実際にはあまり頭に入っていない」
という状態になっていきました。
そして、
毎朝のように思っていました。
「この30分、本当に必要なのだろうか」
「この時間があれば、もう少し仕事を進められるのに」
会議そのものが嫌だったわけではありません。
必要な情報がある時の共有は、むしろありがたいと思っていました。
ただ、
話すことがない日まで、毎日同じ形で30分集まる必要があるのか。
そこにはずっと疑問がありました。
出社する前から考えていた仕事の流れが、一度止まってしまう
私は電車で通勤していました。
会社に向かう途中、
「今日は会社に着いたら、まずこのメールを送ろう」
「この仕事を先に終わらせよう」
と、その日の仕事の順番を考えることがよくありました。
そして9時に出社する。
でも、
すぐに朝会が始まります。
自分の中では、
「早くあの仕事を片づけたい」
と思っているのに、
30分間、ほとんど新しい情報のない話を聞いている。
その時間は、かなりもどかしく感じました。
朝一番に作っていた集中の流れも、
そこで一度止まってしまいます。
会議が終わってから、
もう一度頭を仕事モードに戻す。
一回だけなら大きなことではありません。
ただ、
それが毎日続くと、
少しずつストレスになっていきました。
不満を感じていたのは、私だけではなかった
当時のチームで外国人は私だけで、
他のメンバーは全員日本人でした。
でも、
朝会に対して疑問を持っていたのは、
私だけではありませんでした。
リーダーがいない時に、
メンバー同士で
「今日も同じ話だったね」
「毎日やらなくてもいいのに」
と話すことがありました。
電話で話している時に、
お互いに不満を言うこともありました。
つまり、
チームの中には、
朝会のやり方に疑問を持っている人が何人かいました。
ただ、
その不満をリーダー本人に直接伝える人はいませんでした。
私も同じです。
外国人だった私も、周りと同じように何も言わなかった
ここは、
外国人社員として働いていた自分を振り返ると、
少し興味深い部分でもあります。
私は日本での生活が長く、
その会社の前にも日本企業で働いていました。
そのため、
職場の空気を見ながら行動することには、
ある程度慣れていました。
だから、
「外国人だから、気になったことをすぐ直接言う」
というわけではありませんでした。
むしろ当時の私は、
他のメンバーとほとんど同じように行動していたと思います。
不満はある。
でも、
上層部から決まった方針でもある。
リーダーに直接言うほどでもない。
そう考えて、
結局何も言いませんでした。
もちろん、
これは日本人全体の特徴だと言いたいわけではありません。
会社の文化や、
上司との関係、
チームの雰囲気によっても違うと思います。
ただ、
少なくとも当時の職場では、
「決まったことに対して、その必要性をもう一度問い直す」ことは簡単ではない雰囲気がありました。
「何も言われない」ことは、「問題がない」と同じなのか
今振り返ると、
言わない側だけに問題があったとも思いません。
リーダーから見れば、
誰も不満を言わない。
毎朝みんな参加している。
大きなトラブルもない。
そうであれば、
「この朝会は問題なく機能している」
と思っていても不思議ではありません。
だからこそ、
私は今、
リーダー側から一度聞いてみることも必要だったのではないかと思っています。
「この朝会、毎日必要だと思いますか?」
「頻度は今のままでいいですか?」
「もっと短くした方がいいですか?」
そう聞くだけでも、
違った答えが出ていたかもしれません。
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外国人社員が不満や違和感を直接言わない場合、定期面談でどんなことを確認すればいいのかをまとめています。
外国人社員との定期面談で確認すべき8つの項目|離職を防ぐ質問例と現場で感じたポイント
私自身がもし当時リーダーだったら、
まずメンバーの意見を聞き、
必要に応じて頻度や時間を調整してみたと思います。
毎日30分ではなく、
週に2~3回でもいいかもしれません。
共有事項が少ない日は、
10分で終えてもいいかもしれません。
大切なのは、
毎日続けることではなく、
必要な情報共有ができているかを確認すること
だと思います。
朝会だけが退職理由だったわけではない
この朝会だけが理由で、
私は会社を辞めたわけではありません。
朝会そのものが占めていた割合は、
かなり小さかったと思います。
ただ、
会社全体を見ていると、
似たようなことが他にもありました。
「なぜこのやり方を続けているのだろう」
「もっと簡単にできるのではないか」
と思う制度や業務がありました。
それでも、
「昔からこうしている」
「上から決まっている」
という理由で続いている。
そうした小さな非効率への違和感が、
少しずつ積み重なっていきました。
感覚的には、
こうした会社全体の非効率さは、
私の退職理由の2~3割くらいを占めていたと思います。
一つひとつは、
退職するほど大きなことではありません。
でも、
小さな違和感が毎日のように続けば、
会社全体への見方も少しずつ変わっていきます。
外国人社員の離職も、一つの大きな出来事だけで決まるとは限りません。小さな不満や違和感が積み重なっていくケースについては、「外国人社員がすぐ辞める理由とは?現場で感じた7つの原因と企業ができる対策」でも紹介しています。
外国人社員の中にも、「なぜ変えないのか」に違和感を持つ人はいるかもしれない
私自身は当時、
「みんな不満を持っているのに、なぜ誰も変えようとしないのだろう」
と感じることがありました。
外国人社員の中にも、
似た違和感を持つ人はいるかもしれません。
外国人社員が日本企業で働く時、
仕事内容や日本語だけが問題になるわけではありません。
会社のルールや、
意思決定の仕方、
会議の進め方、
「決まったこと」をどう扱うか。
そうした部分にも、
本人なりの違和感が生まれることがあります。
その違和感は、
会社側からは見えにくいものです。
本人も、
必ずしも直接言うとは限りません。
私自身がそうでした。
「決まっているから続ける」と「必要だから続ける」は同じなのか
私は今でも、
会議が必要な場面はあると思っています。
問題が起きた時。
新しい情報を共有する時。
離れた場所で働くメンバーと認識を合わせる時。
そういう時には、
会議は有効です。
ただ、
「毎日やると決まっているから続ける」ことと、「チームに必要だから続ける」ことは同じではありません。
一度決めたルールでも、
現場の状況が変われば、
見直していいはずです。
そして、
メンバーが何も言わないからといって、
不満がないとも限りません。
私自身、
不満を持ちながら、
何も言わずに毎朝会議へ参加していた一人でした。
だから今は、
ルールを作ること以上に、
そのルールが今も現場に必要なのかを、ときどき確認すること
が大切なのではないかと思っています。
皆さんの会社では、
「決まっているから続けていること」が、
いつの間にか目的そのものになっていないでしょうか。



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